CSM工法(Cutter soil Mixing)

●CSM工法とは

CSM工法は、 水平多軸回転カッター(Cutter)を用いて土(Soil)とセメント計懸濁液を原位置で攪拌混合(Mixing)し、矩形のソイルセメント壁体(土留め壁、遮水壁等)や地盤改良体を造成する工法です。

従来工法と大きく異なる点は、水平多軸回転カッターによる鉛直攪拌方式を採用していることと、注入液をエアー混入によって中圧吐出することであり、粘性土から硬質地盤まで補助工法なしで施工可能な掘削効率と攪拌性能を備えています。


CSM機

カッター・ユニット部

 

 

●CSM工法の特徴

1.高い掘削性能
地中連続壁の安定液掘削において軟弱地盤から硬質地盤及び岩盤まで多くの実績を持つ水平多軸回転カッターの性能をそのまま生かした高い掘削性能を持ち、当社ケリーバー方式では深度35mまで対応可能である。
2.優れた攪拌性能
カッターの配列が多く掘削土が細かく攪拌されると同時に吐出するエアーよる攪拌の相乗効果があり攪拌性が優れて良い。
3.高い掘削精度
カッターユニット部に傾斜計を内臓し、運転席で掘削精度をリアルタイムで監視しながら修正掘削ができる。
4.効率的な施工管理システム
掘削深度、掘削速度、カッターの回転数などのデータをリアルタイムでモニター上で管理できる。また、施工記録の作成も管理データのメモリーにより容易にできる。
5.高い安定性
カッターの駆動部やカッター部がケリーバー等の先端に配置されており、重心が低く安定性が高い。
6.少ない騒音・振動
カッターの駆動部がすべて掘削溝内に入るので騒音・振動が少ない。
7.任意設定が可能な芯材間隔
等壁厚に施工できるため、発生応力に対応する必要挿入芯材間隔の設定に柔軟性がある。
8.優れた遮水性
高い掘削精度により確実なカッティングジョイント部を形成すると同時に優れた攪拌性能により高い遮水性が確保できる。
9.省コストの実現
高い掘削性能と優れた攪拌性能により工期の短縮と材料の節約によるコスト縮減が可能である。

●CSM工法による施工

CSM機(BCM5型)

施工深度 ~20m (本体 80tonクラスの場合)
~35m (本体125tonクラスの場合)
施工壁厚 500~900mm          

香川県 当社機械センター内 性能実証実験工事  
まさ土~100N/mm2を越える花崗岩の土質で、硬質地盤における掘削性能確認とCSM壁体の品質確認を実施しました。
施工方法は、標準の1パス施工(1種類のセメント計懸濁液で、掘削~造成、全ての工程を行う施工方法)と、2パス施工(掘削工程をベントナイト系懸濁液で実施し、掘削完了後のケリーバー引抜き時にセメント系懸濁液を規定量注入しながら造成する施工方法)の2種類を実施しました。

掘削において、花崗岩(CM級:一軸圧縮強度≒35N/mm2)のGL-8.0mまで、比較的容易に掘削可能であることを確認しました。
壁体品質においては、下に添付した壁体写真はGL-5.0mまでのものですが、均一に攪拌混合されている壁体を確認できます。
また、壁の品質試験結果を下表に示します。
 
1パス施工
2パス施工
備  考
一軸圧縮強度N/mm2 透水係数cm/s 一軸圧縮強度N/mm2 透水係数cm/s
管理目標値
0.50
1.00×10-6
0.50
1.00×10-6
 
現場採取試料
2.13
1.46
全試験値の平均値
コアボーリング試料
2.26
4.26×10-7
1.31
4.54×10-7
上下全試験値の平均値
コアボーリング試料
6.81×10-7
壁体ラップ部

 


ボーリング柱状図

CSM壁体写真